2010.8.28 〜北岳バットレス(2日目)〜
(その1:Dガリー大滝〜下部フランケ)

当初の予定は「Dガリー大滝→ピラミッドフェース→第四尾根→中央稜」の予定であったが、
「Dガリー大滝→下部フランケ→第四尾根」とルート変更とし、頂上まで計15ピッチを登ることができた

<北岳バットレス(2010.8.27〜29)>
8/27 1日目(Bガリー大滝試登)
8/28 2日目(Dガリー大滝-下部フランケ)
8/28 2日目(第四尾根-北岳肩ノ小屋)
8/29 3日目(北岳肩ノ小屋から下山)

ルート図(赤線は下部フランケ、2009.8.28撮影)
場所
山梨県南アルプス市



登山行程
下記



参考資料
今回のグレードは「チャレンジアルパインクライミング」を参考にしました。



その他基本情報は
1日目(Bガリー大滝試登)参照

歩行ルートマップ
標高差(白根御池小屋-山頂):960m
累積標高差(Bガリー大滝-白根御池小屋):960m
平面距離(全行程):3.1km
登山口:-
登山口までの移動手段(片道):-
駐車場:-
標準コースタイム(山と高原地図2008):-

登山時間(2日目): 白根御池小屋-北岳肩ノ小屋。12:27、パートナーと
登山行程
0311白根御池小屋-0555Dガリー大滝登攀開始-0736下部フランケ登攀開始-1030第四尾根に到着-1059第四尾根登攀開始-1235マッチ箱懸垂下降-1411靴脱ぎ場(登攀終了)-1452/1506北岳山頂-1538北岳肩ノ小屋

なぜこの山?
1日目(Bガリー大滝試登)にアルパインを「堪能」した翌日、いよいよ本番の「Dガリー大滝→ピラミッドフェース→第四尾根→中央稜(予定)」の標高差約600m、ピッチ数15〜20ピッチの超ロングピッチ登攀の始まりです。強いクライマーとしては普通の登攀であるが、うりうにとっては未知なる領域であるので、とても緊張します。

しかしながら、正直、これをやるために山を続けているようなものです。





登山口までの移動・登山記録
朝2時起床、3:11に白根御池小屋を出発しました。



D沢付近にデポしたクライミングギアを回収するころにやっと夜が明け始めました。



写真は鳳凰山方面。
D沢を登り詰めるとモルゲンロートのピラミッドフェースが見えてきました。



ここを登るんだ。
(感無量)




Photo by Sakakibara
十字クラックからピラミッドフェース取り付きにかけて、崩落しそう。



事前検討で、すでに崩落の危険のないDガリー大滝から登ることを決めている。
矢印がDガリー大滝の取り付きの「岩小屋」。



黄色い線が今回登るルートです。
岩小屋で準備をします。



後にはピラミッドフェースを登ろうしているパーティーがいます。



Photo by Sakakibara
ピラミッドフェースを登るパーティーとは、ほぼ同時に登攀開始。



5:55、1ピッチ目(III+級、30m)うりうリード。
写真は1ピッチ目終了点からフォローを撮る。



なんと、このルート登っていて残置ハーケンが一個しか見当たらなかった。



III+級となっているのは一番最初のハング越えで、あとはIII級なので登攀には問題はないが、一応、10mぐらい間隔でカムをかませた。(#1と#0.3使用)。
6:32、2ピッチ目(III級)榊原さんリード。



一応、登り始めが「核心」であとは簡単なピッチでした。ここも残置支点がほとんどなかったと思う。
終了点に到着。
うりうがフォロー。



Photo by Sakakibara
2ピッチ目終了点からアプローチを見る。



1日目(Bガリー大滝試登)に登った「バットレス沢」はブッシュに隠れてよく見えない。



今回のアプローチに使ったのは「D沢」で、後で「岩なだれ」を目撃することになる。
2ピッチ目終了点からピラミッドフェースへ右に数mトラバースで合流することが可能であるが、すでに取り付いているので・・・
もう一段登っても合流できるので、登ってから考えることにする。



右のルンゼか、左の緩傾斜帯を登るかで、左の緩傾斜帯をコンテで登ることにする。
登ってみるとIII級ぐらいある箇所がある。



念のためスタカートに切り替え、3ピッチ目(II〜III級)うりうリード。



当然、支点はないので、カムで。
榊原さんがフォローで登り・・・
相談の結果、ピラミッドフェースは他のパーティーとぶつかるので、下部フランケへ転進することにする。



榊原さんが下部フランケ取り付きへ移動。
上を見る。



凹角を登るルートです。
4ピッチ目(V-級、実感はVI級、15mぐらい)うりうリード。


「チャレンジアルパインクライミング」では「V-級」と書かれていたが、別の資料では「VI級」「5.10a」「IV+級/A1」などと書かれており、実感もVI級。


いきなり、ハーケンを打ち、AOを使用。


Photo by Sakakibara
終了点に到着。



フリーなら湯河原の5.10aのようなフェースと思うが、ボロい支点では、こんなの思い切って登れない。



今回の山行の「核心ピッチ」でした。
5ピッチ目(V-級、15mぐらい)榊原さんリード。



いきなり、#2カムをぶち込む厳しいピッチで、残置支点だけでは怖くて#1カム程度を数個使用した方が良いと思う。
7:54、下の方から「ガラガラ・・・」という音で、見てみると・・・



D沢に岩なだれが起きており、写真の範囲まで岩が落ちていくのが見えた。



恐らく、下部岩壁の崩れそうな所が崩れたと思われる。



さっき、あそこ歩いていたぞ!





前日の落石も含めて、アルパインは運が悪いと死ぬんだな〜。(と、しみじみ思う)





うりうがフォローで登る。



Photo by Sakakibara
6ピッチ目(IV+級、35m)うりうリード。



最初は草つきを登り、次は凹角のルートです。



Photo by Sakakibara
凹角にはボルトが並んでおり、核心部以外はカムは必要はない。



Photo by Sakakibara
このルーフを左に巻くのが核心。



#0.3カムをプロテクションにして登りました。



Photo by Sakakibara
最後に草つきを登り、木がアンカーの終了点に到着。
八本歯のコルとほとんど同じ標高になりましたね。
これはDガリー奥壁の下部だと思う。
7ピッチ目(IV+級、40m)榊原さんリード。



いきなり、うりうが登った凹角のようなルートです。ここもボルトが豊富で、先ほどのピッチとほとんど同じ感じ。
うりうがフォロー。



ただ、凹角を越えたあとは、ちょっといやらしい感じが続き、終了点へ。



Photo by Sakakibara
直上は・・・



なんか、登られてないみたい。
左に行けば上部フランケ・Dガリー奥壁であるが・・・



直上にピラミッドフェースを登ったパーティーがいたので、そのままピラミッドフェースに合流し、第四尾根へ行くことに。(右へトラバースすると合流)



Photo by Sakakibara
Dガリー奥壁。



Photo by Sakakibara
8ピッチ目(推定V+級、約40m)うりうリード。



右にトラバースするとピラミッドフェースに合流するが、かなりムズイ感じで、例のパーティーは「V+級 は過ぎた」と言っていたが、V+級の途中に合流したのではないかと思う。そこを過ぎるとIV級以下。



写真はムズイ所を通過した直後に撮影。



Photo by Sakakibara
10:30、ぐねぐねルートを取りながら、第四尾根に合流。



矢印の下までは核心であった。
着いた所は第四尾根2ピッチ目付近。



見えているのは、ピラミッドフェースの頭。
下を見る。
写真の人がいるところが、第四尾根2ピッチ目のスタート。



うりうは、カムと残置でアンカーを作り、榊原さんを確保。
八本歯方面。



結局、渋滞しており、2パーティー待つことに。





第四尾根-北岳肩ノ小屋へ続く。





<北岳バットレス(2010.8.27〜29)>
8/27 1日目(Bガリー大滝試登)
8/28 2日目(Dガリー大滝-下部フランケ)
8/28 2日目(第四尾根-北岳肩ノ小屋)
8/29 3日目(北岳肩ノ小屋から下山)


今回登山で学んだこと
・自分は運がいい。

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