2013.9.14
〜八ヶ岳大同心正面壁雲稜ルート〜
フリーで登り、帰りに横岳と硫黄岳に寄る

歩行ルート図

場所
長野県茅野市豊平東岳美濃戸

駐車場・登山口
赤岳山荘駐車場(1000円/日)

登山行程
0100頃埼玉自宅-0415赤岳山荘-0538/0553赤岳鉱泉-0557大同心沢-0640/0702ルート取り付き-0723@P目到着-0810A2P目終了-0832BP目到着-0919CP目到着-1007/1033最終P終了(大同心の頭)-1042登山道-1050/1058横岳-1142/1205硫黄岳-1306/1327赤岳鉱泉-1445赤岳山荘

参考資料
「チャレンジアルパイン」を参考にしました。

累積標高差
1400m

平面距離
12.9km



なぜこの山?
もともと人工登攀で開拓されたルートであるが、フリーでも登れるという大同心雲稜ルート。

で、あればうりうが行かないはずはないのであるが、パートナーに恵まれないなど、行く機会を逸していた。

今回、M君が行くというので、左足もボチボチ回復傾向なので行ってみることになった。(まあ、今となっては観光気分かな?)



<過去の八ヶ岳の山行>
1回目(2007.10.13):美濃戸→地蔵尾根→赤岳→文三郎尾根→美濃戸
2回目(2013.8.10):麦草峠→丸山→白駒池→麦草峠





登山口までの移動・登山記録
埼玉自宅を1時頃出発、美濃戸の赤岳山荘には4時頃到着し、そのまま用意をして歩いて、5時半過ぎに赤岳鉱泉に到着しました。

台風も近づいており、天候も心配されたけど、晴れましたね。
赤岳鉱泉を後にすると、すぐに大同心沢の入口が見えてきました。

ここから大同心沢→大同心稜と登り、大同心に向かいます。
取り扱いは「踏み跡」であるが、事実上立派な登山道を歩く。

間違いなく「踏み跡10選」には入る。
先行パーティーがいたようです。聞いてみたところ、自分の友達の友達とのこと。この世界は狭いね。

右奥の岩峰は小同心で、左には・・・
これから登る大同心の正面壁が見えます。登った雲稜ルートの線を引いてみました。

「チャレンジアルパイン」では7ピッチのルートのようですが、登ってみたところ5ピッチで登れてしまいました。

岩壁の規模としては明星山南壁の半分程度(三ツ峠の1.5倍程度)で、さらっと登れそうですね。
踏み跡から、取り付きは肉眼では確認できませんでしたが、御覧の場所です。

最初は、そこまで行くのに危険じゃないのか?と思ってました。
行ってみると、安定した踏み跡で普通に歩けました。

狭いテラスもあります。

先行パーティーが用意している間に我々が先に取り付きに来てしまいました。
これが、取り付きのアンカー。

ハンガーボルト二個。
M君が最終ピッチをやりたいというので、うりうはもう一つの核心ピッチの1ピッチ目(つるべで登るので、奇数ピッチ)をリードすることに。

見たところ、三ツ峠と同じ礫岩のようなので、欠ける可能性の高い大きい岩を基本的に持たず、小さいホールドを使って登っていきました。

核心は御覧のハングを越えるところで、湿っているアンダーホールドを使うと簡単に登れそうですが、ちょっと「きな臭い」感じだったので、カチをつないで、突破しました。

ハンガーボルト率50%です。そういう意味では安全と言えば安全です。
30mぐらい登ったところ、1/4畳程のテラスにハンガーボルト二個が打ってあったので、そこで切る。

まあ、グレードは5.8かな?。でも、アンダーホールドを使わなかったので、難しめになったので、実感は5.9としました。
フォローでM君が登る。(写真はハングを越えた後)

ハングのところで、例の「きな臭いアンダーホールド」を使ったところ・・・

その岩を引き抜いて
バックブリーカー!!!
(その瞬間は見ていなかったので、想像です)

で、フォールし、落とした岩が重低音をたてて転がっていくのが見えた。(びっくりした)

フォローであったことと、後続パーティーに岩が当たらなかったのが、幸いでした。





この後の議論で・・・

「アンダーで登る場合は、岩を持ち上げる可能性があるので、なるべくならしない方がよい」ということに。





気を取り直して、2ピッチ目はM君リード。

写真の場所が核心部です。登ってみたところ、一瞬何にもないように見えたけど、右のカチを使って左奥のホールドをとる「ワンムーブ」以外に、これといったものはありませんでした。
写真の位置から少し右上したところでピッチを切りました。

20mぐらいで、グレードは5.7〜5.8(V級)で良いでしょう。

ハンガーボルト率20%程度。
これが2ピッチめ終了点のアンカー。

この時点でチャレンジアルパインクライミングのトポの2ピッチ目終了点よりも上のようです。
下を撮る。

後続パーティーの方は、先ほどの落石があったので、少し様子を見ながら登ってきています。
3ピッチ目はうりうリード。

今までよりも脆い感じなので、慎重に40mほど登ると・・・
御覧の懸垂支点のようなアンカーが現れたので、ここで切る。

トポだと、III級+IV級なので、IV級でよろしいしょう。

ハンガーボルト率0%。
北方面の奥に蓼科山が見える。
反対の赤岳方面。
M君を迎える。
4ピッチ目はM君リード。

核心は御覧の凹角。

最初は難しいかも?と思ったけど、登ってみるとIV級でした。
御覧の場所にアンカーがあったようだけど、すぐなので、そのまま先に進んでもらうことにした。
遠くに北アルプスが見えた。
これは中央アルプス。





うりうがフォローで登る。





凹角を越えると、足場が崩れた感じだった。
トラバースを越えると終了点です。

ハンガーボルト率10%。
終了点から下をのぞく。

登ってきた大同心稜が見えます。
南方面は小同心。
その左。

かすかな踏み跡が見えますね。

ここを歩いて帰ることもできるようです。(大同心ルンゼ)
もともとM君が最終ピッチをやる予定であったので、M君がリード。

1ピッチ目の「借り」を取り返す改心のオンサイト。

「グレードは5.8」という強気のコメント。
うりうがフォローでルートのテイスティング。

写真は第一の核心を越えた所かな?。

第一の核心は1ピッチ目と同じようなムーブで、難しさも同じ。

ちょっと5.8だと辛い。
これは第二の核心を越えたところで、約1分間の写真撮影停止。

グレードは、5.10aならザック背負ってこんな余裕なことはできないので、5.9でしょ。

約20mで、ハンガーボルト率60%。
取り付きから約3時間で終了点に到着。

難しさは三ツ峠の「岳ルート」と同じと考えて良いでしょう。ただ、岳ルートよりは脆いので注意してください。

最近の「フリー化」という意味では、八ヶ岳唯一のフリールートと言ってもいいでしょう。(なので、冬期登攀をしないうりうにとっては、八ヶ岳唯一の「本チャン」になる)
終了点から少し上がれば大同心の頭。

大声を出して、手を振ったけど、気づかれたような気づかれていないような。
西方面。

赤岳鉱泉など。
その左。

赤岳など。
その左。

横岳で、縦走路には人がいっぱい。
その左。

硫黄岳。
その左。
左足の調子が悪いので、M君にギアを持っていただき、横岳と硫黄岳へ向かう。
登山道へ向かう途中で振り返って大同心。
登山道に復帰し、まずは横岳へ向かう。
横岳はすぐ。
東方面を見下ろす。

野辺山高原付近。
鎖場を通り・・・
はしごを抜けると・・・
横岳山頂に到着。

人でいっぱいですね。
横岳山頂ではパートナーのM君とお決まりの握手。

大同心の頭でやれば良かったという話もある。
赤岳方面への稜線。
その右。
小同心。
登った大同心。
続いて、硫黄岳へ縦走をする。
往きに気づかなかったけど、小同心からの踏み跡があった。
歩く。

以前よりはまだ歩けるようになった。
硫黄岳山荘を通過。

風に強い造り。
登り返し。

ケルンがたくさんある。
東方面を見る。
硫黄岳に到着。
硫黄岳の北東側の崖を見る。
その右。
その右。
一応、証拠写真。
硫黄岳からの縦走した道。
その右。
さて、下山です。

久しぶりの縦走は楽しかったです。
下山中に北方面を見る。

天狗岳など。
その左。

オーエン小屋。
そろそろ森林限界も終わりです。
ここから森林です。
ここが大同心が一番見やすい。

登った大同心稜もよく見える。
その拡大。
振り返り、硫黄岳。
下山に難渋するかと思ったけど、思ったより良い道。

思ったより、左足痛は出なかった。
赤岳鉱泉に到着。

ラーメン(800円)にはそそられたけど、やめた。
プチ休憩後、帰る。

クライミングウォールもあるね。
基本的に冬季登攀はやらなく、赤岳・横岳・硫黄岳も登ったので、しばらくこの景色は見納めでしょう。

さようなら。
北沢を下り、赤岳山荘の駐車場に到着。

台風が近づいているのに100名以上とすれ違ったけど、大丈夫か?

本日の結果
1P目(実感5.9, 30m):オンサイト
2P目(実感V級, 20m):フォロー
3P目(IV級, 40m):オンサイト
4P目(IV級, 30m):フォロー
5P目(実感5.9, 20m):フォロー

今回登山で学んだこと
・大同心雲稜ルートは、グレード感覚は三ツ峠の岳ルートと同じ。
・アンダーで登る場合は、岩を持ち上げる可能性があるので、なるべくならしない方がよい。

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